かんなとDIY

一年くらい前、ホームセンターのワークショップになんとか「かんな」をとりいれられないかな?、、と思っていた頃に書いた記事です。

その後一年を経てようやく一本、ペーパーウェイトの形で「かんな」を真ん中に置いたネタが、無事上の審査を通過しました。

 

かんな、楽しいですよ。

 

 

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知名度的には、多分ノコギリやノミと並んでとても広く認知されていると思われる、かんな。

この画像を見せてこれは何?と尋ねれば、多分10人中10人が正しく言い当てるでしょう。

 

しかし同時に、扱いがとても難しく、本職大工や家具職人ならぬ一般人にはとても扱いきれぬものと、敬いつつ遠ざけられているのもまた確かな事と思われます。

 

そんな現状に一石を投じるべく、和かんな(フツーの日本人がかんなと言われてフツーに思い浮かべるこれ)が宿命的に持つメインテナンスの難しさと煩雑さを一気に解決し得る「西洋かんな」を世に広く知らしめようとなされているのが、我が敬愛する「ノコギリ木工」の杉田豊久氏なのであり、私もその意向に大賛成なのです。

 

西洋かんなは、本当に素晴らしい。

我々のごときDIYerにとっては、特に。

「かんなによる美しい仕上げ・精確な作業」へのハードルを一気に下げ、手の届くクリア可能な課題にしてくれます。

 

でも、「和かんな」だって、使い方、というか、作業の目的次第では、いやいや私ごときでもなんとか使えそうかな、、、と、最近思い始めています。

 

例えば、かんなを、「切り出しナイフ」の様に使うという事。

 

 

 

切り出しナイフと言えば、それに精通した職人さんであれば、それはもう円だろうが四角だろうが円錐だろうが球だろうが自由自在、もはや切り出せない形はない、というほど自由度が高く、またそれだけに、使う人の力量が露骨に反映される道具なのだと思う。

 

私ごときがこれでなにがしの形を切り出せるものではない。

何しろ相手は木材、木目の順逆もあれば節も杢もある。それらに刃を取られて思わぬ方向に滑ったり潜り込んだり弾かれたり。結果見るも無残なグダグダになる事、請け合いである。

 

むぅ、、、。

 

そこで、かんなである。

 

我々が普通かんなと呼んでいるものは、正しくは「台かんな」といいます。

 

つまり、台に仕込まれたかんな。

 

この台かんなが日本で普及したのは安土桃山時代以降だそうで、その前は「手斧(ちょうな)」や「槍かんな」という、見るも物騒な剥き出しの刃物で頑張っていたそうです。

 

 

こうやって画像を見るだけでも、物騒で難しそうです。

切り出しナイフすら扱いきれない私に、扱える筈がない。

 

でも、そう思ったのはどうやら私だけではなかったらしく。

 

『あかん、こんなもん、木目に刃を取られるわはじかれるわ、全く使えん!!せめて、あぁせめて、材に刃が潜り込み過ぎないよう、ストッパーでも付いていれば、、、、』

 

熟練親方棟梁の見事な仕事を横目に、己の仕事の不甲斐なさを道具のせいにして、なんとか楽できんもんかと考えた落ちこぼれぶきっちょ職人が、「台かんな」を思いついた、、、、

 

のかどうかは分からないけど。(失礼)

 

 

でも、きっとそうなんじゃないかな、と、思ってしまう程の機能の高さが、「台かんな」にはあります。

 

例えば。

 

材の木端や木口をこんな形に丸ーく整形したいとして。

 

これを例えば、剥き出しの刃物である切り出しナイフでやるのは、まぁ不可能ではないのだろうけれども、ものすごく難しいと思う。

 

でも、台かんななら。

 

 

 

台からすこーしだけ出した刃を丁寧に走らせ、最初は一本だった角の辺を削って二本にし、その二本の辺を更に落として四本にし、、、と、様子を見ながら多角形の角をどんどん増やしていく感覚で、墨線の弧にちょっとずつ近づけていく。

 

刃の出し方にさえ気を付ければ、本来順逆木目の入り乱れているはずのパイン集成材であっても、面取り程度であれば画像のようにさほどの苦もなく整形できてしまう。

上の画像くらいまで攻め込めば、あとはサンドペーパーでキレーなポーズ面に仕上げる事ができる。

 


 

念のため言っておくと、私はぶきっちょです。
ほんとにもう、ため息が出るくらいに。

そんな私ですら、このくらいは出来るのです。

 

もちろん、同様な加工はトリマーとポーズビットでも可能です。

トリマーの方が手軽でDIY向き、と思う人もいるかも知れません。

 

しかし。

 

耳をつんざくけたたましいあの騒音。
そして、全身まっっっしろになるくらいのあの凄まじい粉塵。
それらゆえに、使用可能な作業場所が著しく制限され。
しかも、ちょっと油断し安全配慮を怠ると、超高速で回転する剥き出しの刃物が、体に一生消えない程の大怪我を引き起こしさえしかねない、電動トリマー。

 

対して、静かに静かにショリショリと、漂う木材の香りを楽しみながら作業できる、かんな。

 

いったいどちらが手軽で親しみやすい道具だと言えるでしょう。

 

かんな。

 

敬遠したままにしておくのは、もったいないですよ。
便利ですよ。
楽しいですよ!

 

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