DIYアドバイザーを志してすぐの頃。
それまでほとんど持ったことすらなかったノミやかんななど工具類に慣れる為に、立て続けに3本椅子をつくりました。
まだ『杉田式ノコギリ木工』を知らなかった頃です。
op-1、2×4スツールです。
大敗北した前回の衣装キャビネットの反省を踏まえ、書店に駆け込んで買ったドゥーパ別冊ムック本に掲載されていたレシピをそのままつくりました。
これを作るためにもう一つ準備したのが、かのソーガイドF。
これがなかったら、きっとこのスツールも完成させられなかったと思います。
微妙な角度に転んでいる脚の木口加工や貫の相欠き加工に、本当に重宝しました。
そうか、こういうものを使えば俺にだって木工出来るんだ!、、と思えたこと。
これこそがこのスツール作りの最大の収穫でした。
気を良くして続け様にもう一本、スリムなスツールop-2。
op-1は自分としては最高の出来だったけど、2×4はいかんせん重い。
なので今度はワンバイフォー主体でもっと軽くなるよう作りました。
レシピはやはり上のムックにあったもの。
技術的にはop-1とほぼ同じでしたが、材が細い分、仕口加工はビスだけではヤバそう。
という事で、これで初めて『ボゾ組』に取り組みました。
結果は上々、前作よりはるかに軽く、しかもしっかりしたスツールに仕上がりました。
更に気を良くした私は、ついに背もたれのあるハイバックチェアに挑戦しました。
op-3、ハイバックチェア。
材料は垂木ホワイトウッド。
レシピはこの本。
前作前々作と比べて部品点数も加工箇所も遥かに多く、でも、ボゾや相欠きなど制作スキルは経験済みのものばかり。
それまでの復習と反復習熟のつもりで、まるまる一か月くらいかけて完成させました。
処女作の大敗北からハイバックチェア完成まで、およそ半年。
気がつけばDアド二次試験まであと2か月くらいになっていましたが、ここまでの経験で目論見どおり道工具にはかなり慣れる事ができたので、精神的にはかなり余裕をもって試験に臨む事ができました。
しかしその反面、やはりどう頑張っても精度を上げきれない制作スキルの行き詰まりを感じていたのも、この頃です。
そんな幾ばくかの経験と、成功と、失敗と、苦悩と、より高みへの「渇き」のようなものが、この後私を『杉田式ノコギリ木工』へと誘ったのだと思います。
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